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ESCON2 サーボコントローラのESCONからの追加新機能

ESCONシリーズは、電流(トルク)制御および回転数制御が可能な、小型・高出力4象限PWMサーボコントローラです。今回リリースされた新シリーズESCON2サーボコントローラは、既存のESCONの機能を継承しつつ、新たな機能を多く搭載しています。

ESCONからの新機能;
– シリアル通信(CANopen、RS232)によるオンラインコマンド
– 新GUI “Motion Studio”
– ホールセンサのみでの正弦波駆動
– アブソリュートエンコーダ(SSI、BiSS-C)使用可能(現在使用不可。今後のファームウェア更新にて対応予定)
– デジタル入力数増加および機能追加(リミットスイッチ、4固定設定値など)
– 高電流(連続30A)のタイプあり(ESCON2 Module/Compact 60/30)
– その他制御機能向上(制御周波数増加、フィードフォワード制御など)

これらの新機能の中で、今回は「シリアル通信によるオンラインコマンド」と、「デジタル入力数の増加および新機能」について説明致します。

<シリアル通信(CANopen、RS232)によるオンラインコマンド>
既存のESCONシリーズでは、コントローラへの指令はデジタル入力やアナログ入力で行いますが、ESCON2では新たにシリアル通信(CANopen、RS232)でのオンラインコマンドが可能となりました。
CANopenネットワークのスレーブノードとして制御されるように特別に設計されているため、CANopen準拠の下記運転モードが使用可能です。
– サイクル同期トルク制御(Cyclic Synchronous Torque Mode、CST)
– サイクル同期回転数制御(Cyclic Synchronous Velocity Mode、CSV)
– Profile Velocity Mode(PVM)
運転モードの詳細は、こちらのコラムをご参照ください(EPOS4 位置制御ユニットの運転モードの説明ですが、EPOS4もCANopen準拠のコントローラですので、上記運転モードは同じです)。

このようにESCON2では、従来のデジタル入力・アナログ入力での指令に加えて、通信でのコマンドも可能になり、お客様の指令方法に対してより柔軟に対応する事が可能となりました。

<デジタル入力数増加および新機能>
既存のESCONシリーズでは、デジタル入力および出力は併せて4系統しかありません(デジタル入力1および2は入力、デジタル入力3および4は入力か出力を選択)。
ESCON2では、デジタル入力は4つ、デジタル出力は2つそれぞれ別系統で装備しています。結果的にデジタル入力の数は増加しています。
これにより、リミットスイッチ用入力の追加や、入力2系統を使用した4固定設定値などの機能が追加されました。これらの設定は、新GUI(初期設定用ソフト)Motion Studioで行います。
下図は、デジタル入力3と4のON/OFFの組み合わせで4固定の回転数設定を行っている例です。
デジタル入力3と4のON/OFFの組み合わせで4固定の回転数設定を行っている例

Motion StudioのStartupウィザード“Digital Inputs”設定
 Digital input 3 → Velocity set value switch 0
 Digital input 4 → Velocity set value switch 1

デジタル入力 4 デジタル入力 3 回転数設定値
OFF OFF 2000 rpm
OFF ON 5000 rpm
ON OFF 1000 rpm
ON ON 8000 rpm

なお、Motion Studioの動作説明書に関しては、「ESCON2 ユーザーガイド」というマニュアルをご用意しておりますので、併せてご参照ください。

ESCON2の概要に関しては、こちらのページ(新しいウィンドウが開きます)もご参照ください。

また、弊社コントローラ製品群全般に関しては、こちらのコラムも併せてご参照ください。

(KASA)