ジャパンマイコンカーラリー2020全国大会 4位(Advanced) 香川県立観音寺総合高等学校
マイコンカーラリー(Micom Car Rally : MCR)とは、ロボット競技大会の一つであり、マイクロコンピュータ(Micro computer、略してマイコン)を搭載したロボット(模型自動車)が、コースを自律制御(ロボット自ら動く方式)で走りタイムを競う競技です。
ジャパンマイコンカーラリー2020全国大会のAdvanced部門で4位に入賞された香川県立観音寺総合高等学校の合田直樹先生にお話をうかがいました。
― ジャパンマイコンカーラリー2020 Advanced部門での入賞おめでとうございます。この大会を目指したきっかけを教えてください
「本校は三豊工業高校と観音寺総合高校が統合して新しくできた学校です。統合前の三豊工業高校時代からマイコンカーラリーに取り組んできており、統合後も全国大会での入賞を目指しています。」
― 2017年に統合されたんですね。三豊工業高校さんと言えば、何度も上位入賞されているイメージですが、ご苦労された点などありましたか
「本校ではマイコンカーラリーを電子科の課題研究で取り組んでいます。ロボット競技に初めて参加する生徒が多いため、工作機械や工具の使い方などものづくりの基本的な学習から始めました。
練習用のコースは毎年変えずに行っているので昨年度の生徒の記録を超えられるように何度も試行錯誤を繰り返してきました。機械工作や電子工作などを生徒達で分担したり、教え合ったりしながらマシンを完成させました。走行させるまでにかなりの時間がかかり地区大会に臨むまで苦労しました。」
― 大会に出場して、一番印象に残ったことは何でしょうか
「全国大会に出場した生徒2名が前日の予選1回目から2台とも完走できず、ホテルに帰ってから生徒とコースアウトした原因を分析し、マシンの改良をしました。翌日の予選2回目には、両方のマシンが完走することができホッとしました。また、今までベスト8に入ることが難しく何度も挑戦してきましたがやっと予選6位の位置につけることができたことがとても印象に残っています。」
― 今回のマシンについて、簡単な特徴を教えていただけますか
「マシンの特徴は主なパーツを3Dプリンタで製作していることです。軽量化と印刷した樹脂の強度・剛性不足を補うためにパーツを接着剤で固定をしています。個々のパーツが3Dプリンタでできているため、軸の位置やホイルベース、タイヤの大きさを自由に変更することが可能です。その他の加工にはボール盤やルータ、レーザ加工機などを使っています。駆動モータ用には大会指定のマブチモータ、サーボ用のモータはマクソンモータを1個使用しています。」
― 3Dプリンタでパーツを作ってらっしゃるんですね。3Dプリンタを使うことによって、作業が非常に合理的になったのではないでしょうか
「各パーツは3D CADソフトを利用して設計しています。作成したデータは、3Dプリンタで印刷可能なSTLデータに変換することができ、すぐに造形することができます。そのため、マシンのタイヤの大きさや形状、モーターの位置やギヤ比など様々な構成を試すことに有用でした。」
― maxon製品をご採用いただいた理由をお聞かせください
「私が高校生のときにロボット相撲やマイコンカーラリーの大会に出場するなかでマクソンモータを使用してきました。小型DCモータの中で安定したトルクと応答性のよいモータがなかなか見つからず、検討する中でマクソンモータを選びました。」
― 有難うございます。先生の高校時代からご採用いただいて、今も検討のラインナップに加えていただき、ご採用いただいていることはとても光栄です。実際に使用している感触としては如何でしょうか
「軽量でトルクが大きいため、速度が上がってもきちんとハンドル制御ができるため安定した走行ができ満足しています。」
― maxonのモータに要求されることは何でしょうか
「マイコンカーラリーでは、高速走行時に安定したハンドル制御を必要とするため軽量でトルクのあるモータを求めています。また、故障せず安定して動作することを求めています。」
― 今大会で上位入賞されたことで、何か変わったことはありましたか
「最終的な目標は全国大会で優勝することを目標としているので、上位入賞できたことは目標に近づいたので嬉しく思っています。これからも生徒達と研究を重ねて上位入賞を目指したいです。」
『観音寺総合高等学校』としての快進撃が始まりましたね。これからのご活躍も楽しみにしています。有難うございました。