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スイスのカーニバル:一年で一番クレイジーでファニーな季節

スイスのファスナハト(カーニバル)はリオのカーニバルと比べたらおとなしいものかもしれません。でも、スイスが羽目をはずさない保守的で退屈な国だと思っている人たち誰もが、一年に一度のこの祭典の光景を見たら驚くことでしょう。真夏に開催されるリオのカーニバルと違い、スイスのカーニバルは冬と春の間に開催されるため、暖かく着込まなければなりません。

カーニバルの季節、人々は仕事や心配事を忘れ、十分に人生を楽しみます。楽器を鳴らしながら通りをパレードする間、仮面と衣装をつけることによって、人々は普段の日常と違う新しい人格を楽しみます。ルツェルン、バーセル、オブヴァルデンの三大ファスナハトは有名ですが、スイスの全ての州で独自の伝統的なファスナハトが守られています。ファスナハトはちょうど、レント(キリスト教の四旬節(受難節)のこと。キリストの苦しみを分かち合うため、肉、卵、乳製品など自分の好きな食べ物を節制する時期とされている)の前後に開催されます。

この伝統行事のルーツは諸説あります。異教徒の春のお祭りやキリスト教の儀式、宗教とは関係のない民俗行事などが混ざったものが始まりだと主張する人もいます。いくつかの州では、カーニバルは悪霊を遠くに追うための、ものすごい形相の仮面を使う異教徒の伝統に基づいているとされています。

スイスで最も規模が大きく有名なカーニバルはバーゼルとルツェルンで開催されるものでしょう。

バーゼルの「モルゲン・シュトライヒ(夜明けの一撃)」
バーゼルのファスナハトは国内でも最も有名で最も派手な伝統行事です。カーニバルが朝の早い時間帯(夜明けの一撃)に始まると、このスイス北部の都市の通りは、仮面や衣装をまとい太鼓やフルートを鳴らしながら行進する人々でいっぱいになります。

モルゲン・シュトライヒは、「灰の水曜日」と呼ばれるキリスト教の行事(四旬節の初日)の後の月曜日午前4時ちょうどにスタートします。バーゼルのファスナハトは14世紀までさかのぼることができますが、モルゲン・シュトライヒは1835年に最初に正式な許可を与えられました。参加者は、たいまつ(その後10年後に禁止され、今では灯籠)を持って、街を行進します。今日では、すべての道の電燈は、装飾された大きな灯籠の行列のためにモルゲン・シュトライヒの間、消灯されます。その日は音楽と行進、そして大騒ぎと共に高揚した気分が続きます。伝統的に、カーニバルで着用される衣装の多くは時事問題や出来事を反映しています。

ルツェルンの「フリッチ・ファスナハト」
ルツェルンの「フリッチ・ファスナハト」は中世をその起源とし、「フリッチ」組合の伝統に基づきます。

カーニバルは、常に「汚い木曜日(「灰の水曜日」の前の木曜日のこと。その日に脂身(Schmalz)の多いものが食べられていたことから、それが訛って、汚い(schmutziger)木曜日と言う)」にフリッチファミリーに扮したメンバーの到着から始まります。

ファスナハトは3日間、72時間夜通し開催されます。夜中もパレードは街を練り歩きます。勤勉で真面目なスイス人でもこの3日間は羽目を外します。同僚たちのそんな様子を見てみたい気もちょっとします。

(HASH)