モータを焼損から保護するため、どのような検討が必要でしょうか
マクソンモータ単品には、バイメタルやPTCサーミスタといった焼損保護用の素子を内蔵していないため、設計段階で次のような検討が必要です。なお、IDXシリーズ等のドライブ回路内蔵タイプには、過熱保護機能を装備しております。
1. 原則として、動作点が「最大連続電流」(カタログデータ6行目)および「最大連続トルク」(カタログデータ5行目)以下となるようモータをご選定ください。
なお、カタログデータ22行目の「最高巻線許容温度」は、標準条件(図1)のもと、「最大連続電流」で連続運転させたときに到達する温度です(摩擦熱の影響も含みます)。
周辺温度が25℃を上回る場合は、以下の式を参考に「最大連続電流」(カタログデータ6行目)に代わる許容電流の目安を算出のうえ、実機でご確認ください。
2. 標準条件(図1)において、モータの取付プレートを樹脂製から金属製に変更するなど、放熱条件を改善すれば、連続運転範囲は拡がります。
カタログでは、熱抵抗値(ハウジング/周囲間)を50%とした場合の連続運転範囲を、一部モータについて表示しています。
なお、熱抵抗(ハウジング/周囲間)を変化させたときの、「最大連続電流」(カタログデータ6行目)に代わる許容電流の目安は次の式により算出可能です。
3. デューティー比が100%を下回る場合、「最大連続電流」(カタログデータ6行目)を上回る電流を短時間流すことも可能ですが、実効電流は「最大連続電流」を下回っている必要があります。
なお、流すことのできるピーク電流とデューティー比の関係は、下図のとおりです。
例:デューティー比が25%のとき、上のグラフより最大連続電流の約2倍とすることも可能です。ただし、実効電流は最大連続電流以下としてください。
4. 同様に、短時間であれば「最大連続トルク」(カタログデータ5行目)を上回るトルクを出力することも可能ですが、実効トルクは「最大連続トルク」を下回っている必要があります。
なお、トルクと電流は、次の式により関連づけられております。