1. HOME
  2. ユーザーレポート
  3. 第26回全国ソーラーラジコンカーコンテスト in 白山 優勝・ベストラップ賞受賞 石川県立工業高等学校

REPORT

ユーザーレポート

第26回全国ソーラーラジコンカーコンテスト in 白山 優勝・ベストラップ賞受賞 石川県立工業高等学校

全国ソーラーラジコンカーコンテスト in 白山は1994年から続く、全国の高等学校・高等専門学校(1年生~3年生)の生徒を対象とした無線操縦によるソーラーカーレースです。

2019年8月に開催された第26回全国ソーラーラジコンカーコンテスト in 白山で、優勝およびべストラップ賞を受賞された石川県立工業高等学校の森本勝先生にお話をうかがいました。

石川県立工業高等学校集合写真

― 第26回全国ソーラーラジコンカーコンテスト in 白山での優勝、ベストラップ賞の獲得おめでとうございます。
早速ですが、この大会を目指したきっかけをお聞かせください。

「石川県で開催される全国大会でもあり、第1回の大会から現在(26回)まで、県内の工業高校が課題研究、クラブ活動を通して参加していましたが、地元石川県勢はなかなか好成績を収めることができない状況でした。そこで、心機一転、数年前より上位入賞を目指して取り組んだ結果、2014年からの4連続優勝後の敗退からのリベンジ大会でした。」

― 石川県勢は上位入賞の常連校ぞろいの印象がありますが、何か具体的に見直したり、変更した点はありますか

「石川県勢では先に金沢市立工業高等学校さんが初優勝をされ、本校もその優勝に刺激と勇気をいただいたおかげで現在の成績を収めることができたと思っています。本校のマシン設計の基本は軽量化の追求でしたが、フレーム等の軽量化は限界に来ており、そこで見直しや変更点としては、モーターマウント部(アルミ金属)の設計変更と前面投影面積を少なくした空気抵抗削減と操縦安定性を考慮した重量配分設計でした。」

― ご苦労された点を教えてください

「本校は、毎年3年生が課題研究として本大会に取り組んでおり、大会が8月上旬開催なので実質5月から7月の約2ヶ月間の短期間でマシンの製作から試走までを行わないといけない点です。クラブ活動ならば、設計技術、加工技術、操縦テクニック等が1年時から段階的な継続指導ができますが、課題研究ではそれができないところです。」石川県立工業高等学校部活風景

― 大会に出場して、一番印象に残ったことは何でしょうか

「周りのサポートがない限り勝てないという実感です。」

― 具体的にはどのようなサポートですか

「表現が難しいのですが、目に見えない「サポート」と目に見える「サポート」があると思っています。
トラブル等に、勝負を超えた他チームからの援助と技術的アドバイスも含め今回は本当にたくさんの協力や応援をいただいたと実感しております。」

― 今回のマシンについて、簡単な特徴を教えていただけますか石川県立工業高等学校マシン

「1番が軽量重視、2番が空気抵抗を考慮した車両設計です。

使用モータは、晴天用と全天候型の使い分けで2個使用しています。
晴天用には、軽量で高回転のモータを、全天候型には、軽量で高トルクのものを選択しました。」

― 使用モータが晴天用と全天候型で使い分けられているとは存じませんでした。大会当日の朝(または、天気予報などにより)、どのモータを使用するか検討されるということでしょうか。

「モータ選定は大会当日レース直前に検討しますが、今大会や過去の大会も含めて天候の変化が激しく、今まで晴天用で走行できたレースは1、2レースです。」

石川県立工業高等学校マシン走行

― maxon製品をご採用いただいた理由は何ですか

「軽量、小型でエネルギー効率が非常に高いことです。」

― 実際にご使用されて如何でしたか

「信頼できる性能と耐久性が素晴らしかったです。」

― ありがとうございます。maxonのモータに要求されることはございますか

「モータ軸径が豊富にあれば助かります。」

― 軸径については、太くすることは出来ませんが、Dカットや軸長などは特注としてお受けできますので、お気軽にご相談ください。

石川県立工業高等学校

― ご質問などあれば、おっしゃってください

「新品のモータには慣らし運転等をした方がよろしいでしょうか?」

― 慣らし運転については基本的には必要ないと思います。
強いて言うならば、新品グラファイトブラシのモータは、ブラシがコミュテータにしっかりと接触していないので、
数時間程度回してあげるとよいかもしれません。
また、新品のギアヘッドもグリスを浸透させるという意味で数時間動作させる場合もあります。

― 今大会で上位入賞されたことで、何か変わったことはありましたか

「生徒たちのモチベーションは高くなったと思います。」

― 今後の展望や目標をお聞かせください

「2014年からの連勝記録が2018年のベストラップ賞で途切れてしまいました。2019年に再び優勝できたので、今後は生徒や同僚とともに研究を重ね、前回の4連勝を超える連勝記録を樹立したいと思っています。」

― 既に伝統校の風格のある石川県立工業高等学校さんですが、2020年のご活躍も大いに期待しています。
晴天用と全天候型でモータを使い分けていて、しかも、これまでのところ晴天用の出番があまりない、など初めてうかがうお話ばかりでした。大変貴重なお話をどうもありがとうございました。

第26回全国ソーラーラジコンカーコンテスト in 白山